内容証明とは、郵便物(一般書留)の文書の内容について郵便事業株式会社(日本郵便)が証明する制度です。
この制度は、郵便法第48条に規定されており、同法第58条を根拠として、郵便認証司が内容証明の取扱いに係る認証をすることになっています。
ここでいう認証とは、①内容証明の取扱いをする郵便物の中身である文書の内容を証明するために必要な手続が適正に行われたことを確認して、②対象となる郵便物が差し出された年月日を記載する手続をいいます。尚、郵便認証司とは郵便事業の民営化にともなって新設された国家資格者です。
このように内容証明とは、法律(郵便法)にもとづいて国家資格者である郵便認証司による適正な手続きを経て送達される郵便物であり、この郵便物の内容について、いつ・どんな内容の文書を・誰から・誰あてに、差し出したのかを、日本郵便が証明してくれるサービスであるということができます。
文書を出したことの強力な証拠となり、日付を確定する効果があるところから、契約を解除する意思表示など大切な手紙を出すときに利用されています。
尚、この内容証明郵便がいつ相手方に配達されたという事実を証明するには、「配達証明」というオプションサービスを付加する必要があります。
また、内容証明はその文書に書かれている内容そのものが、真実であるかどうかの証明まではしませんので、この点は注意が必要です。
内容証明の効果
内容証明の基本的な効果は、先に述べましたように、
「どのような内容の手紙を、いつ誰に出したのか」を郵便局が証明してくれることと、
配達証明サービスを付加すれば、更に「いつ届けられたのか」までが同様に証明されること
により、有力な証拠が残せるということです。
また、次の項でご紹介する付加的効果があります。
内容証明の付加的効果
内容証明の付加的効果として、相手方に対して何らかの精神的な作用(心理的圧迫など)をもたらす効果が期待できます。
その理由としては、いろいろな要素があろうかと思いますが、
代表的なものとしては、以下のようなものが考えられます。
・ 書留郵便で配達されるので、重要な文書であろうと受け取った相手方は直感的に予想する。
・ 内容証明郵便と知り、相手方はつよい緊張感を持つ。
・ 手紙を内容証明郵便とする位だから、差出人は本気であり、
本当に法的手段を取りかねないであろうと、相手方は不安感を持つ。
・ このまま放っておいたら、どんなことになるか判らない、裁判でも起こされたら・・・・!
上記の様な心理的圧迫などが相手方に生まれ、結果的に「面倒なことになる前に対応しよう」という気持ちになることで、相手方から積極的に連絡をくれたり、こちら側の要求(請求など)に応じるなどの行動に結びつく確率が高くなります。
実際的には内容証明本来の効果よりも、この付加的効果を期待して相手方に内容証明郵便を出すといった場面が多いものと思われます。
内容証明を使う事案
具体的にどのようなときに内容証明を使えばよいのか、以下に例示しておきます。
・クーリングオフ、内職商法による契約解除、アポイントメント(デート)商法による契約を解除
・送りつけ商法に対する商品の引き取り請求、霊感商法による契約の解除
・割賦販売契約の解除、説明と異なるエステの契約を解除、物損事故の損害賠償請求
・セクハラによる損害賠償請求、欠陥商品の修理・代替品の請求、成年被後見人が結んだ契約の取り消し
・著作権侵害に対する警告、コンピュータソフトの無断複製(コピー)に対する申入れ、類似商号使用差止め
・身元保証契約の解除、滞納家賃の支払い催告、家賃滞納を理由とする契約解除、家主への修繕請求
・家主に造作の買取を請求する、家主に無断で増改築したことを理由として契約を解除する
・深夜の騒音禁止を申し入れる、ペット禁止のアパートなどで、ペットを飼育している住人に警告をする
これらのほか、商取引などでも内容証明を使います。債権譲渡の通知などは、確定日付が第三者への対抗要件となりますので、必ず内容証明郵便を用いる必要があります。
内容証明の書き方
一般の手紙を書く場合と違って、内容証明で出す手紙を作成するには、自由な部分といくつかの決まりごとがありますので、ポイントをご紹介します。
① 使用する用紙
使用する用紙については、特に制限はありません。便箋、白紙など自由です。
市販の内容証明専用用紙を使わなければならないという決まりはありません。
② 書き方
手書きでも、パソコンやワープロなどを使用してもどちらでも差し支えありません。
また、縦書・横書いずれでも可です。(但し、1枚当りの文字数と行数に制限あり後述)
③ 作成部数
全く同じ内容のものを3部(3通)作成します。(相手方用・郵便局保管用・自分控用)
パソコンなどでの作成なら3部出力(印刷)、手書の場合はカーボン紙の使用も可です。
他、コピーでも問題ありません。
④ 字数・行数のきまり (1枚あたり)
区 別 | 字数・行数の制限 |
| 縦書きの場合 | ・1行20字以内、1枚26行以内 |
| 横書きの場合 | ・1行20字以内、1枚26行以内 ・1行13字以内、1枚40行以内 ・1行26字以内、1枚20行以内 |
1枚あたり、右の図表の範囲で
作成します。但し、制限以内に
おさまればよいので、例えば
1行12字、1枚20行でも問題
ありません。
尚総文字数や総枚数には特に
制限はありません。
⑤ 使用可能な文字
原則として、「漢字・かな・数字」のみ内容証明で使用することができます。
ほか、カッコ・句読点・一般的な記号が使用可能です。
例外として、英字は固有名詞(社名、商品名など)を表記する場合に使用できます。
⑥ 文字や記号の訂正など
文字や記号を訂正・挿入・削除することは可能です。それらの字数と箇所を欄外または
末尾の余白に書いて差出人の印を押します。使用するハンコは認印(三文判)で可です。
(但し、訂正や削除の跡は読めるように残しておく必要があります)
⑦ 用紙(文書)が2枚以上になる場合
つづり目に契印を押します。使用する印は訂正などの場合と同様です。
⑧ 住所氏名を書きます
郵便物の差出人と受取人の住所氏名を文書の末尾(最後)余白に付記します。
尚、付記された文字については、字数や枚数に算入されません。
内容証明の出し方