離 婚 に 関 す る 判 例 (参考)
協議上の離婚(第763条)関係
■原告が被告に対し裁判上の離婚を求める意思があるからといって、協議離婚の無効を求める利益がないとはいえない。
(最判昭31.6.2民集10・6・748)
■生活保護の給付を受けることを目的としてされた協議離婚の届出であり、その後実質的な夫婦共同生活が継続されたとしても、法律上の婚姻関係を解消する意思の合致に基づいてなされた届出であれば、右離婚を無効と認めることはできない。
(最判昭57.3.26時報1041・66)
財産分与(第768条)関係
■すでに財産分与がなされた場合においても、それが損害賠償の要素を含めた趣旨とは解されないか、または、その額および方法において分与請求者の精神的苦痛を慰藉するに足りないと認められるものであるときは、右請求者は、別個に、相手方の不法行為を理由として離婚による慰藉料を請求することを妨げられない。
(最判昭46.7.13民集25・5・805)
■離婚訴訟において裁判所が財産分与を命ずるにあたっては、当事者の一方が婚姻継続中に適当に負担した婚姻費用の精算のための給付をも含めて財産分与の額及び方法を定めることができる。
(最判昭53.11.14民集32・8・1529)
■内縁の夫婦の一方の死亡により内縁関係が解消した場合に、民法第768条の規定を類推適用することはできない。
(最決平12.3.10民集54・3・1040)
裁判上の離婚(第770条)関係
・不貞な行為
■民法第770条第1項1号の不貞な行為とは、配偶者のある者が、自由な意思にもとづいて、配偶者以外の者と性的関係を結ぶことをいい、相手方の自由な意思にもとづくものであるか否かは問わない。
(最判昭48.11.15民集27・10・1323)
・悪意の遺棄
■妻が婚姻関係の破綻について主たる責任を負い、夫からの扶助を受けないようになったのもみずからの原因によるなど原判決認定の事情のもとにおいては、夫が妻と同居を拒み、これを扶助しないとしても、本条第1項第2号にいう悪意の遺棄にあたらない。
(最判昭39.9.17民集18・7・1461)
・配偶者の強度の精神病
■夫婦の一方が不治の精神病にかかった一時をもって直ちに離婚の請求を理由あるものと解すべきでなく、たとえかかる場合においても、諸般の事情を考慮し、病者の今後の療養、生活等についてできる限りの具体的方途を講じ、ある程度において前途に、その方途の見込みのついた上でなければ、離婚の請求は許さないものと解すべきである。
(最判昭33.7.25民集12・12・1823)
・婚姻を継続しがたい重大な事由
■破綻の原因を与えている者は、たんに性格の不一致を理由として離婚を求めることはできない。
(最判昭38.6.7時報338・3)
■有責配偶者からの離婚請求で、その間に未成熟の子がいる場合でも、ただその一時をもって右の請求を排斥すべきものではなく、諸般の事情を総合的に考慮して、信義誠実の原則に反するとはいえないときには、右の請求を容認することができるものと解するのが相当である。
(最判平6.2.8時報1505・59)
■婚姻を継続し難い重大な事由があると認められる場合でも、判示の事情を総合的に考慮すると、有責配偶者からの離婚請求は、信義則に反するものとして、許されない。
(最判平16.11.18時報1881・90)